こだわり卵ストーリー

〜安心とぬくもりを育む、いたか自然農園の挑戦〜

私たち「いたか自然農園」は、鶏たちがのびのびと過ごせる環境を整えながら、無農薬・無添加の飼料を使った養鶏に取り組んでいます。

自然との調和を大切にし、地域の恵みを活かした循環型の農業をめざす、その想いが、農園づくりの原点です。

1. 口に入るものだからこそ、無農薬・無添加の飼料を

鶏が健康に過ごすうえで欠かせないのが「毎日の食事」です。いたか自然農園では、鶏たちが口にする飼料をとことん厳選しています。地元の農家さんから仕入れるお米や野菜くず・果物など、化学肥料や農薬を極力使わない食材を中心にブレンドし、保存料や着色料、抗生物質といった人工的な添加物は一切使用していません。

たとえば旬の野菜の切れ端や余った果物は、鶏たちにとって栄養価の高い副食材になります。もともとは廃棄されてしまうはずの食材が、フレッシュな飼料として再生するのです。「鶏が毎日食べているものは、いずれ私たちの食卓にもかえってくる」。だからこそ、“人間が安心して食べられるものだけを鶏に与える”という姿勢を貫いています。

2. 木造鶏舎に宿る、やさしい空気感

鶏たちが暮らすのは、木の香りとぬくもりに包まれた木造鶏舎。もともと無農薬の畑だった土地を活かし、鶏にとってストレスが少ないよう工夫を重ねました。木の壁や梁(はり)は、しっとりとした質感で日差しを和らげ、程よい風通しを生み出します。

外気が取り込みやすい構造にしているため、鶏舎は常に新鮮な空気が循環しています。鶏たちが過ごす床には、稲わらやモミガラなどの天然素材を利用し、足腰にやさしくホコリが舞い上がりにくいよう配慮しています。

毎朝、鶏舎に入ってまず感じるのは、“木”と“土”のやわらかな香り。自然の恵みを感じながら鶏と向き合えるこの場所こそが、私たちの大切な職場です。

3. 地域とともに歩む、フードロス削減の取り組み

いたか自然農園では、地元で生まれる食材をできる限り活用することを心がけています。形が悪いだけで店頭に出せない野菜や、加工品を作る過程で出る残さなどを鶏の餌に取り入れることで、食品廃棄を減らしているのです。不要となった野菜くずは、生ゴミとして廃棄すれば悪臭やCO2排出の原因にもなりますが、鶏たちの栄養源に変えれば、まったくムダになりません。

さらに、鶏舎で出る糞や床材は、発酵させて堆肥として再利用します。こうして土へ戻した有機肥料は、地域の畑で新たな作物を育む力となるのです。鶏と土、そして人びとの暮らしが、循環の輪でつながっている、それが私たちの理想の農業スタイルです。

4. 支えるのは、毎日の丁寧なケアと愛情

無農薬・無添加の飼料や木造鶏舎といった環境づくりだけが、いたか自然農園のこだわりではありません。私たちは毎朝鶏舎を回り、一羽ひとわの健康状態を確かめることを欠かしません。鶏同士の関係や体調の変化には常に気を配り、適切な温度管理・清掃を行うのも大切な仕事です。

鶏が安心して産卵できるように、産卵箱の掃除や床材の入れ替えもこまめに実施します。大切な命を預かっているからこそ、日々の積み重ねが何より大切。「丁寧に育て、丁寧にいただく」という循環を守ることが、私たちの一番の使命だと考えています。力してください

5. 自然の恵みと、地域の笑顔を未来へ

“自然を大切にする”というと、どこか大げさに聞こえるかもしれません。でも、ここで育てる鶏も、そこで実った作物も、私たち人間も、みんな同じ土の上で暮らしています。だからこそ、地域の環境を守り、互いに支え合う循環を途切れさせないことが大切だと感じています。

毎日、私たちが真心を込めてお世話する鶏たち。一つひとつの行動でフードロスを減らし、地域の農家さんや加工業者さんと手を携えて生まれる安心な飼料。そして木造鶏舎のなか、穏やかな光と風を感じながら過ごす鶏たちを見ると、自然との調和が生むあたたかい力を実感します。

いたか自然農園の想い

このように、「いたか自然農園」は環境や地域としっかり向き合うことで、鶏にも人にもやさしい農園経営をめざしています。私たちが大切にしているのは、自然と寄り添うこと、そして受け取った恵みを無駄なく活かすこと。そうして生まれた卵が、ひとりでも多くの方の食卓に彩りと安らぎを届けられたら、こんなに嬉しいことはありません。

木造鶏舎に差し込む朝の光や、鶏たちが集まってくる足音、ほのかに漂う木の香り、そこには人工的なものだけでは決して得られない温かみがあります。私たちの手が生み出すものは微々たるものかもしれませんが、一歩一歩着実に、地域や環境、そして皆さまの毎日に貢献できるよう努めてまいります。

これからも「いたか自然農園」は、自然との結びつきを大切にしながら、真摯に農業に向き合っていきます。鶏たちとともに歩む日々を通じて、ここにしかない“やさしさ”と“安心”を、どうぞ感じてみてください。